1970年のチェコの作品。
「しりたがりやのこいぬ」は、シリーズになっており、その中の一冊。
絵を、「もぐらとずぼん」「もぐらとじどうしゃ」のズデネック・ミレルが描いています。
物語は、こいぬがみつばちを追い駆けて、巣箱の前で見失うシーンから始まります。
こいぬのしりたがりやの性分から、巣箱の鍵を外して中に入り込みます。
巣板についた蜜を発見し、夢中になって食べてしまうのですが、みつばちに見つかり逆に追い駆けられ、こいぬは体中刺されてしまいます。
その夜、何故か夢の中にみつばちが登場し、蜜を集めるのにどれだけみつばちが苦労するのかを知り、こいぬは刺された理由を知るのです。
その後、こいぬは、みつばちを助けて、和解して終わるのですが、ちょっと話の展開に無理がある感がありました。
そもそも、こいぬも蜜泥棒だった訳で、それが他の動物から蜜を守ったとしても、その差異って何?と思えたからです。
ストーリーは未だしも、何と言っても、ズデネック・ミレルの絵が素適です。
クッキリとした輪郭で描く絵は、小さい子供でも認識し易いのではないでしょうか。
それに加えて、今回登場のみつばち。
大きな目が可愛らしく、日本ではお目にかかれないキャラクターです。
足が4本しかないのは、困りものですが。
「しりたがりやのこいぬ」シリーズ全般にいえることですが、絵が4コマあって、まん中に文章がある構成は、特にお子さんにとって分かり難いもの。
もう少し、工夫が欲しいところです。
とは言え、ミレルの絵は、見るものを虜にするのは間違いなく、オススメします。