児童向けに書かれているノンフィクション《科学》の本です。
科学といっても、この本はアホウドリに半生を掲げている作者の夢とロマンと努力の日々をつづったもので、
どちらかというと「生き物係日誌」のような感じでした。
児童向けに書かれてはいるものの、お薦めできるのは小学校高学年以上のお子さんです。
やはり中学年以下だと、よほど興味がないと内容を把握するのは難しいと思います。
アホウドリという名前は聞いたことはあっても、
(この本でも紹介しているように)希少動物であり保護動物なので、なかなか本物を見るということはありません。
実をいうと私もこの本を読むまで、名前は知っているものの、その存在は何となくしか知りませんでした。
この本には、たくさんのアホウドリの写真(研究成果や作者がどんな小屋で観察研究をしているのかなど含め)がたくさん載っているので、この本を手にしたことで、また新たなの“アホウドリ”ファンができるかもしれませんね。
ただ、作者はものすごい「アホウドリ・ファン」で、その想いからいろいろなことをやっているので、
内容を堪能したり、受け入れたりするのは難しいかもしれませんが、こんな人がいるんだ。希少動物にはこんな風に人が携わっているんだ。ということを『知る』だけでも価値はあると思います。
ちなみに私がこの本で一番心に残ったことは、
“アホウドリ”は、この相手と決めると片方が死んでしまうまで同じ『ツガイ』でいるということでした。
鳥の世界って、夫婦の愛情が深いんですね。