主人公のくまは、ある時ふと思いました。
「ぼくのぼうし どこいったん?」
気になるから、探しに行きます。
このくまは、少しぼんやりしたくまなのでしょうか?
道々で色々な動物に帽子のことを聞くのですが、どの動物とも目を合わせません。
淡泊でもあるようで、知らないと言われれば、簡単に引き下がります。
聞いて回ることに疲れて、寝ころんでしまったくま。
そんなくまに、シカがたずねます。
「どんな ぼうし?」
くまは答えます。
「あこうて とんがってて……」
そして気付きます。
「あっ、さっき!」
クワッと見開いたくまの目が、野性的です。
くまは、犯人から帽子を取り戻しました。
でも、そこからが問題なのです。
犯人の行方を聞かれたくまは、とても慌てています。
もしかして……くまは……犯人を……。
この絵本、ひょっとすると……、ホラーかもしれません。