ある晩、おばあさんは空を見上げておったまげました。
なぜって、お月様がやせ細っていたからです。
「おつきさまは、まあるくなくっちゃ!」
おばあさんは、スープをこしらえてお月様に食べさせます。
でも、お月様は細いまま。
「おつきさまは、まあるくなくっちゃ!」
次におばあさんは、ピザをこしらえてお月様に食べさせました。
お月様は少し太ったけれど、やっぱりまだまだ細いまま。
「おつきさまは、まあるくなくっちゃ!」
次におばあさんは……。
おばあさんは、お月様を太らせようと一生懸命です。
その気持ちが分かるのか、お月様も、出された料理をもりもり食べます。
そのかいあって、お月様はまあるくなったのですが……。
お月様は幸せです。
だって、こんなにも心配してくれるおばあさんがいるのですから。
どのページをめくっても、おばあさんの優しい気持ちがあふれています。
小さな小さなお子さんから小学校低学年のお子さんまで、誰にでも愛される絵本だと思います。