2歳11ヶ月の息子に読んでやりました。うちの息子もおはぎが大好き。そのおはぎちゃんが庭に転がってしまい、カナトカゲの夫婦に大事に育てられる様子がとても微笑ましいお話です。
なんといっても、おはぎちゃんが「赤ちゃん」としてトカゲ夫婦に受入れられ、庭の仲間みんなで育てていくという意外な展開にびっくり!クモがハンモックを作ってくれたり、ハチがハチミツをミルクがわりにくれたり、あまがえるのおばさんがだっこしてみたり・・・。
そして、ぼたもち夫妻の登場にはどぎもを抜かされました。だって、庭に転がってしまったのは、おはぎちゃんが初めてではない上に、ずっとぼたもち夫妻は床下で生活していたということ。ありえない設定なのに、ひとつの生き物として命を吹き込んで大事に大事に育てていく様子が綴られているのです。庭に転がったら、ひっからびて土に戻っていくのがおちなんて夢のないことではなく、もしかしたらみんなにかわいがられてひっそりとどこかで生きているかもしれないね、と心が温まるのです。
息子は庭にいる仲間たちにとても興味があり、名前を覚えようと一生懸命。でもその隣で言葉は教えていても、あまりにリアルに描かれている苦手な生き物(ミミズ、いもむし、かえる、むし、むし、むし・・・系)にどきどきしている私。いろいろな気持ちがごちゃまぜになれる、おもしろい本ですよ。
おはぎだけでなく、虫が好きなお子さんにも夢が広がるいい絵本だと思いました。