小さな子にとって、親からはぐれることほど怖いことはないのでしょうか。
この絵本を読みながら、ちらちらと息子の顔を見ていると
はじめは楽しそうにニコニコしていたのが、ピンがひとりぼっちに
なったとたんに表情が曇り、それからドキドキして真剣な面持ちに
なったのが分りました。
「網を足で蹴って隙間から逃げればいいのにね」なんて言いながら。
さいごは男の子が放してくれて、家族とも再会でき、ほっ。
よかった、よかった。
舞台は揚子江だそうで、あひるたちを呼ぶ音の調子にも
どこか異国情緒が感じられます。
行った事はないのですが、水の音や風の流れまで感じられるような
気がしました。
そして最後「ムチで打たれずに温かく迎えられました」なんてことはなく、やはりぴしっと打たれたところがまた何ともこの世界らしい
甘すぎない終わり方で。
それでも家に帰りたかったピンの思いの強さを感じました。