歌の大好きなかえる君が夏の夜、歌を歌っていると、どこからか
不思議な歌声が聞こえてきて、ハーモニーを奏でました。
それが、けら君との出会いでした。
2匹の仲は急接近して、けら君がかえる君の家の隣に引っ越してきました。
でも、それは地面の上と下という関係で、
「大好きだからこそ、いつでも姿を見ていたい」という欲が出てきた
かえる君は我ままを言ってしまい、二人は仲たがいをしてしまいます。
ところが、その翌日、かえる君は溜息をつきながら一人で散歩を
していると、ひよどりにさらわれてしまい、けら君が必死に助けに行くという話です。
とても素敵な話です。
友達になるきっかけのことや、友達になってみてどんどん相手が好き
になる過程、そして、その友達のことが大好きになってしまって独占
してしまいたいという気持ち...
友達関係についての全てを絵と文章を通してやさしく伝えてくれます。
そして、本当の友達とは何かも教えてくれる話でした。
幼稚園児や小学校低学年生にありがちな友達を独占したいという気持ち
がいっぱいになって友達関係がギクシャクしているお子さん、
逆にこれから転校や進学などをして友達ができるかなとちょっと心配
になっているお子さんに、とてもお奨めです。
どうしようも出来ない、他との違いを受け入れること、それも友達関係
には必要なこと。
そして、この話は、“こどものとも”の編集部便りによると、
虫を主人公にした作品の多い作者得田さんながらの、
オケラの特性が、特に、かえるくんを助けに行くところに、
しっかりともりこまれている話だそうです。
虫博士なお子さんにも共感が得れる話かもしれません。
とてもシンプルに描かれているの実に奥が深い話です。
是非、読んでみてください。