クリスマスの時期なので、読んでみました。
原題は、Countdown To Christmas
物語は、サンタじいさまのおもちゃ工場で、小人たちがせっせとおもちゃ作りをしているシーンから始まります。
何を思ったか、サンタじいさまは、お決まりのサンタグッズを一新しようとします。
トレードマークの袋は捨ててしまうし、ソリはサイケ調に塗ってしまうし、来年はジェットソリにして、トナカイをお払い箱にしようとさえ考えているのです。
その話を聞いたトナカイ達の打ちひしがれる姿が、何とも言えません。
新調した袋は物が沢山入らず、さらに、ソリとトナカイを空に飛ばせる魔法の袋だったことがわかり、サンタじいさんの袋探しが始まるのです。
ストーリーの発案自体は良いと思うものの、あまりに袋を探す部分が長すぎて、間延びした展開になっています。
新しもの好きなサンタという設定なので、もっと思い切った話にした方が古きよき物が際立ったと思うのですが、余りに中途半端。
心に響くようなストーリーに至っていないのが残念です。
ただ、絵自体は、おもちゃ工場の描き方なんて、見るだけで楽しさが伝わる手の込んだもの。
絵を見て充分に楽しめると思います。
絵本の世界では、サンタは、古きよき物として描いて欲しいもの。
亜流として描くなら、もっと思い切った冒険が絵本には必要ではないでしょうか?