「どろんこのおともだち」 ８歳のお子さんに読んだ みんなの声

とても気持ちよく読める一冊ですね。清々しい。

女の子なりの愛情のかけ方も気持ちよいですし、きっときっと贈ったお人形を泥だらけにしていい気分はしないだろうに、ググッとこらえて、子どもの気持ちに沿った言葉をかけられるおばさんも気持ちいいし、なによりホッとしました。
外で遊ぶ姿を、いつものことと捉えているお母さんにも気持ちが落ち着く。
まるごと一冊、愛情が感じられます。

人形と子どもの話はよくあるけれど、人間側から書いてあるので、メルヘンっぽい生温さがなく、現実感を伴って子どもの胸に届くのではないでしょうか。
大好きなお人形も隣に置いて、一緒に聞けると素敵ですね。

どろんこあそびや木登りが好きなシャーロット。部屋では鳥や蛇を飼い、キノコの絵を描き、鳥の巣や石や貝殻や枝や…色んなものをコレクションしています。

そんなシャーロットに、おばさまからプレゼントが届きました。
「あなたにぴったりのおにんぎょうをおくります」と。箱から出て来たのは、きれいな絹のリボンを結び、赤い唇をきゅっと結んだ、華奢な女の子のお人形です。シャーロットの趣味には合いません。

さて、シャーロットとお人形は仲良くなれるでしょうか？

美しい絵で活き活きと綴られるシャーロットの一日に引き込まれます。何より、お人形と（もとからいる）クマのぬいぐるみの表情が最高。絵のトーンは静かなのに、すごくダイナミックです。

最後まで読んで、「ぴったり」の意味にすっきり。
一緒に読んでいた子ども達も、よかったぁ！とニコニコでした。



※
☆4つなのは、私はお人形をどろどろにするのに抵抗があって、ちょっと気になったからです。