世の中には、いったいどれだけの「仕事」があるのか?・・・・・・街を歩いてみても、これまでに袖擦り合った人の顔を思い浮かべても、数え上げるには気が遠くなるほどですよね。
この作品は、厳選、九つの仕事を採り上げて仕事場に取材、そこに働く人の仕事ぶりをつぶさに描いたもの。
たとえば、「新幹線運転士」。今も昔も男の子のあこがれの職業上位にランクインする「電車の運転手さん」の中でも、最先端の花形です。
まず描かれるのは、見開き、運転室のパノラマ。運転台に整然と並んだ計器や装置のひとつずつに、呼称が書き込まれています。そして次ページ、運転士さんの仕事の概略が記され、さらに勤務(これは泊まり勤務)の一日が、コマを追って描かれます。駅で見かける制服姿は、ほんの一部。家を出てから職場まで、交替後の宿泊や夜食の様子など、「生活人」としての運転士さんの姿が紹介されていきます。
「展望ビデオ」では見ることのできない運転士さんの一日。見た目のカッコよさだけではなく、ひとつの職業として見ることで養われる、社会への目。
ほか、美容師、すし職人、自動車整備士、木のおもちゃ職人、革職人、歯医者、パティシエ、グラフィックデザイナー。ここには載っていなくっても、お父さんお母さんの仕事のことへと、話がはずむこと請け合いです。