日本の怖い昔話の三本の指に入ると思われる「くわずにょうぼう」、一体どんな怖い話が待っているのかとドキドキしながら表紙をめくると・・
アレッ?!現代のキッチンに女性が。ちょっと拍子抜けに思いながらも、このワンクッションがまたいい感じです。
家族にご飯を食べさせるのが嫌だというくらいケチな男が結婚したのは、なんとご飯を食べないでよく働く女性。しかも美人で料理が上手とくれば、こんないい話はありません。
でも、やっぱりそんな美味しい話はありませんでしたね。
泥まみれの大根のまるかじり、血まみれの牛の生肉、果ては額の真ん中の大きな真っ赤な口・・・!!
見開き一杯の迫力のある絵に、男でなくてもビックリ仰天!
目は血走ってるし、これは怖い!でも、怖いもの見たさで目が離せない。
読み聞かせしながら、息子も「こえ〜、こえ〜!」を連発していましたが、それでも面白そうに聞いていました。
アッサリ男は女房に食べられてしまう結末を迎えるのですが、その後に最初の場面に戻って「あ、お話だったのか・・」と怖さを引きずらせないところが良かったです。
改めて最初のページに戻ると、「もしかしてダイエット中のお母さん」って、自分のこと?ダイエット中なのにケーキ食べてるところ、「み、た、わ、ねぇ!」なのかな?と、クスッとさせられました。
ド迫力で怖いんだけど、挿絵がおどろおどろしていないので、どこかユーモアも感じる作品でした。