この本は移民労働者として育ったトマスさんをモデルにした実話だそうです。
そしてトマスさんはカリフォルニア大学の学長にまでなった人です。
この本には二つの要素があります。
一番はやはり図書館のおねえさんの存在でしょう。
利用者としてのトマスの受入方がすばらしい。
同じ図書館に働く人間として、司書の理想を感じました。
図書館は人を育てる大きなエネルギーを持ったところだけれど、本が嫌いな人間にはつまらないところかもしれません。
立派な社会人になった昔の利用者から声をかけたりすると、とても生き甲斐を感じます。
このおねえさんの行動は、下手をすると押しつけになってしまうのですがとてもコミュニケーションの取り方が上手です。
自分の教科書のような話になってしまいましたが、メキシコからの移民で移動労働者の家族として育ったトマスの家族の教育観のすばらしさを見過ごすわけにはいきません。
トマスはどのように教育を受けたのでしょうか?
両親が働いている間、トマスはおじいさんからいろいろな話を聞くことができたし、スペイン語と英語を使えるだけの語学力を学んでいます。
両親が生活の中に教育をしっかり位置づけたからでしょう。
ゴミ捨て場から拾って読むほど、トマスは本が好きになりました。
すばらしいお話でした。