「模擬原爆」。
私はこの本を読んで初めて、そんな爆弾が存在したこと、
そして終戦までの1カ月足らずの間に、
それが「本物の原爆投下の練習」として
日本の49か所に実際に投下されていたことを知りました。
登場するのは主に
主人公の小学校5年生ヒロカと、東京から遊びに来たいとこのたくみ(小5)、そしてこの2人のおじいちゃん。
何も知らなかったヒロカが、「模擬原爆」のことを知り
それを夏休みの自由研究にまとめるまでの
心の成長が描かれています。
たくみの
「知らないことは、こわいことだよ。だれかの言っていることが事実とちがっていても、そうなのかなあって信じてしまう。ぼくはそれがいやなんだ。」
という言葉が印象的でした。
実際に爆弾が落とされた当時の場面等は出てきませんが、
戦争を知らない私たち親世代に育てられた、
戦争を全く知らない子どもたちが
「戦争って、どんなものだったんだろう?」と
興味をもつきっかけになり得る1冊だと思います。
会話文が多く、それも主に大阪弁だったため
読み聞かせは私では上手に出来ないなぁ・・・と思い、
うちの子には自分で読んでもらいました。