親として、大人として、とても分かるし、自分の少年時代を思い出す絵本です。
住み慣れた町から外れたところに森がある。
遠くに見えていて、何となく怖い場所だと思うけど気になるんだ。
ある日ネズミは勇気をふりしぼって探検に出かける。
冒険だ…。
そんな冒険の思い出が自分にもあります。
探検して、たどり着くまでの緊張感、後悔。
たどり着くまでの長い時間と距離。
森がそれほど怖いところではないところだと分かってホッとした。
帰り道は思ったより近かった。
それが、自分の成長なんだとも思います。
ただ、親としてこの本を読むには、ちょっとした勇気がいります。
自分の子どもが危険な場所に立ち入ることについて、親としてこれほど神経を使っている時代はなかった。
町も安全ではなくなってきている現代、森には本当に怖い怪物がいるかもしれないのです。
子どもの冒険心と安全。
ともすると子どもの冒険心の芽生えを摘んでしまいそうな親としての自分。
時として、親は子どもを送り出す町でなければいけないと感じました。