この本に限らず、林明子さんの絵はすごく表情が豊かで、見ていると絵本に引き込まれそうになります。絵本の中の子供が、自分の子供と同じ表情をしているんです。悲しそうだったり寂しそうだったりすると、手を差し伸べたくなり、楽しそうだったり嬉しそうだったりすると、つい顔がほころんでしまいます。まるで自分の子供を見ているようです。
林明子さんの本の中でも「こんとあき」は私の一番のお気に入り。ここには《あき》の成長していく過程が鮮明に描かれています。《あき》が生まれてから常に一緒だった《こん》。《あき》にとってはかけがえのない存在。だからこそ《あき》は強くなることができたのでしょう。不安気だった《あき》が最後にはとても逞しくなっていきます。そのうち自分の子供たちもこんな風に成長していくんだろうなぁ・・・。
何だか自分の感想ばかり書いてしまいましたが、娘の反応はというと。自分と同じ年頃の女の子が登場すると、自分と重ねあわしてみる娘は、わくわく・どきどきしながら見ています。きっと《あき》と同じように、冒険の楽しさや心細さを味わっているのでしょう。これからもずーっと長く読み続けていく本になりそうです。