この絵本は2008年に発表されたものの復刻版。
一般書では文庫化で作品が二度本屋さんに並ぶことが多いが、絵本の世界でもこういうようにしてつながっているのですね。
長谷川義史さんは人気の高い絵本作家ですから、作品化したいと考えている出版社も多いでしょうから、そういうこともあるのかもしれません。
そんな事情は子どもたちに、もちろん大人にも関係ありません。
いい本が手軽に入手できればいいと思います。
この絵本は実にシンプル。
シンプルといえば、なわとびそのものがシンプルな遊びですよね。
縄が一本あればなんでもできる。
この絵本のように端と端をもって、「ペッタン ペッタン」揺れるなわを踏まないようにして跳んで遊ぶというものから、ぐるりのまわしたなわを潜り抜けるもの、あるいは端と端をつなげて電車ごっこというのもありました。
あるいはひとりでびゅんびゅん跳んで、その回数を競いあったり、二重跳び三重跳びなんていうのもありました。
小さい頃、運動おんちでしたから、なわとびも苦手でした。
いつもひっかえるのは、私。
この絵本を読むながら、そんな苦い記憶がよみがえってきました。
恥ずかしい。
長谷川さんのなわとびにはいってくるのは、たけしくん、おじいちゃんのせいぞうさん、おばあちゃんのひでこさん、さかなやさんのまさきちさん、さらにどんどんはいって、おさむらいさんやろくろっくびのお姫さま、さらには宇宙人まで。
なわの世界が長谷川さんの自由な空間になっていきます。
長谷川さんの絵本の魅力は大胆は筆づかいの絵。さらには、この絵本のような自由さです。
長谷川さんのなわとびにはいるのは、自由。
読みながら、身体が上下に跳ねていく感じがします。
そういう感じになれば、そこはもう長谷川さんの世界です。
最後になわをひっかけてしまう人がいます。
さてさて、それは誰でしょう。
足元をよーく見ながら読んで下さい。