小さい頃 雨が降れば
「ああ、これが雨じゃなくてジュースだったらな〜」とか
「雨の代わりにお菓子が降ってこないかなぁ」とか思いながら歩いたものですが
そんな懐かしい気持ちがふと蘇ってきた絵本です。
日に3度の食事が空から降ってくるので
食べ物屋さんは一切ないという不思議な町・カミカミゴックン。
どんなメニューが降ってくるのかは空次第だなんていう奇想天外な日常にこの町は見舞われているのです。
人々がフォークやナイフ、お皿などを持って出かけたり、
ジュースやスープの雨を逆さまにした傘に溜めて
それを飲んだりなんていうエピソードにはクスクスものです。
でもだんだんと異常気象になり、町は大混乱。
食べ物に翻弄されていく人たちの様子にどきどきハラハラ。
始めは夢のあるお話のつもりで読んでいたんだけど
アドベンチャー色を大いにはらみつつ、お話は思わぬ方向へ。
だんだんと空恐ろしい感じが伴うのです。
飽食の時代への警鐘か?!とか
食べ物たちの人間への逆襲か?!とかついつい深読みしてしまうんですよね。
こういうお話って映画にしたらいいんじゃないかなって思うくらい面白い展開とオチが待っています。
ぜひ読んでみてくださいね。