主人公は二人の姉妹。
1人は小学校5年生の乙葉。一見男の子みたいなやんちゃ娘。
もう1人は年の離れた乙葉の姉で造園業者で働いている桐子。
この二人に起きた出来事を軸に、物語は進んでいきます。
この二人の他に、子どもたちを置いて失踪してしまった両親の代わりに引き取り育ててくれた祖母の妹にあたる「おばあちゃん」と、
桐子の恋人の軍二、それに、学校の「いのちの授業」に来てくれた助産師の谷垣さんなどが主に出てきますが、
この谷垣さんというのがこの物語でキーマンで、彼女の存在が乙葉や桐子の生き方に大きくかかわってきました。
「親に捨てられた」と思い続けて生きてきた桐子(乙葉は小さすぎて良くも悪くも記憶がない)に、郡二が木に例えてかけた言葉が素敵でした。
どんなに伝いものがとでも、見方を変えれば違う想いが見えてくることもあるのだと改めて感じました。
思春期の子どもたちにぜひ読んでもらいたい1冊です。
小学生の高学年からでも、乙葉の目線で読めば十分読めます。
素直にとてもいい話だと思います。
自分て親にとってどんな存在なんだろう?そんな風に思ってしまう時期があったら、ぜひこの本を手に取ってみてください。
何か、分かってくること(見えてくること)があるかもしれません。