主人公のサルくんは、いつもひとりぼっち。
毎日散歩に出かけてバナナを食べるけれど、ひとりぼっちだから楽しくありませんでした。
そんなある日、バナナの皮に滑って、穴の中に落ちてしまいました。
すると、モグラが出てきて言ったのです。
「バナナバイクで たのしいところに つれていってあげるよ。 でも のるには きみのもっている バナナが 1ぽん ひつようだ」
バナナを渡して行った先には「バナナのゆうえんち」があって、どのアトラクションでもバナナを1本渡さないと乗れませんでした。
そうして色々なアトラクションで遊びながら、サルくんは、あることに気付きました。
それは、ウサギさんが常に一人でいるということでした。
いつもひとりぼっちのサルくんは、他の人のひとりぼっちに敏感だったのでしょう。
だからウサギさんの寂しさが自分のことのように感じられて、何とかしてあげたいと思ったのかもしれません。
おかげさまで二人は困難を乗り越えて、友だちになります。
バナナから始まってバナナで終わる、心優しい物語。
寂しい気持ちを抱えている全ての人に、読んでもらいたい1冊です。