そらまめくんのシリーズは、これを含めて四冊出ていますが、私はこの「ぼくのいちにち」が一番いいなと思っています。
このお話、他の三冊と、ちょっと違っていますね。
そらまめくんのベッドそのものは、何も活躍しないのです。
そらまめくんのベッドが今度はどんな活躍をしてくれるのかと期待に胸を膨らませて読む方にとっては期待はずれになるのかもしれませんが、そらまめくんシリーズも、回を重ね、ベッドが活躍する物語から、今後、そらまめくんたちそのものの物語に変化していくのかもしれないなと思いました。
とはいっても、ふわふわベッドがそらまめくんの宝物であることは変わらないし、タンポポの綿毛で、「ぼくのベッドみたいにふわふわ」なベッドを作り、みんなにもみせてあげたいと思ったり、やっぱりふわふわベッドは健在なのですが、ホント、そらまめくんもまるくなったなと感心させられます。
この作品を一番に読んで、他のそらまめくんを後から読む方は、最初の頃のそらまめくんの性格にびっくりするかもしれませんね。
タンポポがいっぱいで春の暖かな匂いを感じます。
虹も、雨上がりの匂いが届いてきそう。
二ヶ月くらい前だったか、夕立の後に、虹が出ていたことがありました。私は家の中からそれに気が付き、娘と外に虹を見に出たのですが、そんな体験もあって、虹のページを娘は喜んでいます。
で、気がついたのが、はっぱのふねのページなのですが、
もしかしてめだかのこ? 君、また流されてきたの?
って、それがとっても気になって仕方ないのですが・・・
が、ほのぼのとしていて、こうやって楽しいいちにちを過ごせるそらまめくんたちはいいな、昔の子どもって、きっとこんな一日を過ごしていたかな、そして、今の子どもたちにこんな一日を経験させてやりたいなって、そう感じさせられる一冊でありました。
最後の、そらまめくんにありがとうと言うところが、ちょっとわざとらしく感じはしますが、教訓的なものがないところが、他の作品と比べても、とてもいいなと感じました。