絵本は子供だけのものではないのはもちろんの事なのですが、それでも子供の目の高さから見た本というのはあります。マックロスキーの描く絵本はいつもそうで、この海べのあさの主人公サリーも、「歯が抜けた」という一大事に大騒ぎ。会う人会う人に「私、歯がぬけたの。」と得意な顔をしてみせます。
驚きなのは、その姿にまるで媚びはなくて、現実世界の私達と何一つ相違無い自然な会話。それが圧倒的に上手いのです。
本当にありのままの、海べのあさでの出来事を描いた秀作。まるでホームビデオをみているかのような自然さで、読んでいていつも心地よい気持ちになります。