みねの住む貧しい村には、おにが現れるという。
飢えや貧しさがおに…村に、村人の後ろに黙って立っている黒い影に、思わず息をのみました。そんな貧しさのなかで、おかあさんが作ってくれたおかめとひょっとこのお面は、みねが初めて手にした自分のもの。もっと貧しい村に嫁いでいくときも、それを持っていった。悲しいこと、つらいことがあると、そのお面をかぶって踊る…
どんなにつらい中でも、笑っていたら、おには去っていくのでしょうか。
子だくさんに恵まれても、生活は厳しい中でも、家族みんなで頑張る姿がありました。夫の勇助にも先立たれ、そんな時でもお面をかぶって踊ってみせる。そして、米寿のお祝いのときに見せた笑顔。そして、口から出てきた言葉に、驚き、涙が出ました。
強い母、でっかい母、偉大さを感じました。