なんともおぞましいお話です。
連続殺人鬼「青ひげ」。
どこかの国の猟奇事件の犯人が「青ひげ」と呼ばれた理由が分かりました。
シャルル・ペローといえば、『赤ずきん』、『シンデレラ』、『長靴をはいたねこ』…、それぞれは確かに深読みすれば背景のある作品で、軽い童話ではないことも解りますが、子どもたちに夢を与える作家のはず。
エリック・バトゥーといえば、『いつだってともだち』、『にっこりねこ』、『それはひ・み・つ』とシンプルな絵の中で、子どもたちに夢を与える作家のはず。
ですが、この作品はそれぞれの作品の延長にありながら、領域を越えてしまった感じがします。
ペローはこの作品の中に、背景のある教訓を述べました。
1.一時の興味が身を滅ぼすことがある。
この説明のために、これほどのおぞましさは不要だと思うのですが。
2.今時こんな人はいない。
実はそうではない社会だから、この作品を軽く流せないのです。
バトゥーはシンプルな絵をよどませて作品を仕上げています。
ペローの話とあまりにかみ合いすぎて不気味さを増長してしまいました。
舞台劇のような作品です。
救いの手が差し伸べられるまでの展開にかなり無理があります。
「現実には助からないのだよ」と言っているようでもあります。
子どもに読むのはやめましょう。