美しい青の世界。
その青の中に、白と黒の寄り添う二匹の猫が印象的に描かれて、よく見るとハートの形をした葉が一杯の表紙。
見返しは、星で散りばめられた夜空の青、そして流れ星。
みるみるうちに美しい色彩の幻想世界に引き込まれていく、作者の刀根里衣さんはまるで色彩の魔術師です。
お話はとっても可愛らしくて、そして読んだ後に温かい優しい気持ちになれました。
湖に浮かぶキラキラを、シロにプレゼントしようと頑張るクロの姿は、本当に微笑ましくて、シロは幸せ者だなと思いました。
葉っぱも、貝がらも、魚も、そしてタコさえも、二人の前ではハートの形になってしまうのですね(^^)
青い世界の中の、ひときわ目立つ赤が効果的に使われていて、とってもいいですね。
湖に浮かぶキラキラは手に入らなかったけれど、それよりももっとキラキラした大切な宝物のありかを、シロは知っていました。
こんな素敵な彼女がいて、クロも幸せ者ですね。
全編を通して、美しい青と、ハートがあふれる素敵な絵本です。