ナカムラミツルさんの絵本です。
即興で子どものために作った話だそうです。
「みにくいあひるの子」を子どもに話そうとしたら、
知っているからと嫌がられ、
じゃあ「もしもみにくい子をその家族が受け入れていたら」?
そんな経緯でできた本作「みにくいこねこ」。
もとのお話も教訓めいてますが、
こちらも家族のありかたについて、
強いメッセージがこめてあります。
ていねいにエピソードが重ねてあり、
ミツルさんが子どもに話しながら、
「家族」を強く強く伝えたかったんだろうなと感じます。
イラストの軽快な感じからは予想できないほど
物語は長いです。
名前がとてもいいです。
母がシキ、子どもがハル、ナツ、アキ、フユ。
何があっても決して欠けることなどない、
そう示してあります。
不出来でも、
同じ生まれでなくても、
そばにいなくても。
彼ら家族は
いつもお互いを支え合い、
想っているのです。
ミツルさんの描く「家族」。
とても愛情深くて、温かい。
みんなの本当の想いも
本当の自分も全て知った上で
また仲よく家族で暮らすことができる―
フユの何重もの幸せな結末に
心癒されました。
娘がもう少し成長したら
親子でまた読みたいと思います。