本当にあった話としての伝説は、とても怖い話としての印象が強く、読み聞かせでは、引いてしまう子もいるお話ではあります。
でも、いもとようこさんは怖さを極力オブラートに包んで、約束を果たすことの大切さを前面に出しています。
本当に困っている大人たち、神にもすがりたい大人たちにとって、金や財産など、秤にかけることもなく惜しみないものであるに違いありません。
でも、困窮から脱することができると、憑き物が落ちたように、冷静な自分に戻るのです。
忘れてはいけないのは、約束は約束なのです。
これを契約は契約と置き換えると、身の回りに笛吹きはいなくても、ホラ吹き、詐欺師の多いこと多いこと。
道徳の話として受け取るか、騙されるなと警鐘の話に置きかえるか、それは読む人次第です。
どちらにしても、かけがえのないものを失わないように。