ウェストールの物語はずっと気になっていましたが、戦争が背景にあったり、ホラーだったりで、なかなか手にとれませんでした。
この作品は、出版されてから、いろいろな紹介文を目にして興味を持ったこと、短編集て取り掛かりやすい、ということで読んでみました。
良かったです。情景描写や心理描写が素晴らしく、さすがカーネギー賞やガーディアン賞を受賞された実力派の作家だと思いました。
九つの短編が収録されていますが、私は
「吹雪の夜」 (仲たがいしている若いカップルが吹雪の中、思わぬ出来事に遭遇する話)
「ビルが 見た もの」 (目の見えない主人公が、それ以外の感覚を駆使して近くで起こった事件を察知し、まるで目撃したかのように警察に知らせる話)
「真夜中の電話」 (クリスマスイブの夜、悩みの相談窓口にかかってきた不思議で不気味な電話の話)
が面白かったです。
「真夜中の電話」も含め、幽霊が出てくる話が三話あります。夏休みに読む本の一冊に加えてはいかがでしょうか?