新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

たんぽぽ」 夏の雨さんの声

たんぽぽ 文・絵:荒井 真紀
出版社:金の星社 金の星社の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2015年03月
ISBN:9784323072739
評価スコア 4.77
評価ランキング 684
みんなの声 総数 12
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  • 「たんぽぽ」といえば、
     俳人・坪内稔典さんの代表句「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」を思い出す。
     あまりにもユニークすぎて、子供たちのポカンとした顔まで浮かびそう。
     「たんぽぽや日はいつまでも大空に」(中村汀女)あたりがいいだろう。
     春は色々な花が咲きそろう季節だから、桜を筆頭にそれぞれに好みの花がある。
     なかでも、「たんぽぽ」は地面に沿うようにして咲く花だから、
     子供たちの目線に近いこともあって、子供たちが好きな花のひとつにちがいない。

     荒井真紀さんの細密画で描かれた絵本『たんぽぽ』を読むと、
     単に花を愛でるだけでなく、植物がもっている不思議がとてもうまく伝わってくる。
     「たんぽぽ」の場合だと、まず花がどの部分という不思議がある。
     え?! あの黄色いのが花ではないの? って誰もが思う。
     この絵本によると、
     「ひとつのはなにみえますが、たくさんのちいさなはながあつまって」できている。
     その小さな花の根元にふくらみがあって、
     それがやがて綿毛となっていくそうだ。
     ちなみに、俳句の季語ではこの綿毛は「絮(わた)」と呼ばれている。

     荒井さんの絵本ではたくさんの綿毛が見開き2ページ一面に描かれていたりする。
     「たんぽぽ」が子供たちに人気があるのは、
     この綿毛があるからかもしれない。
     ふっと吹く、それはまるでしゃぼん玉遊びみたいだし。

    投稿日:2024/03/17

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