くっきりとした線で描かれたイラストが印象的なこの一冊。文字も少なく、道を急ぐお母さんに手を引かれながらも、「まって」と、すぐに他のことに気を取られる男の子との掛け合いの繰り返しが続いていきます。単純な構成ですが、ラストまで読むと心にじんわりとあたたかい気持ちが広がります。
お母さんの気持ちは本当によく分かります。でも子どもの「まって」をどのくらい待ってあげられるのか、心の余裕を試されているような気にもなります。慌ただしく過ぎ去っていく毎日の中でほんの少しでも余裕をもって、時々は立ち止まって空を見るような時間を多くのお母さんたちが持てたらいいな〜と思いました。