シベリアで暮らす猟師の物語です。
自然界で生きることの厳しさを、真正面からとらえています。
神沢利子さんの静かで力強い詩と、画集を見ているかのように繊細な挿絵が、寄り添うようにたたずんでいます。
一見して軽い内容の絵本ではないとわかるので、子どもが自分で手にとることはあまりないかもしれません。
小学校5・6年向けのおはなし会で、聞きました。
淡々と読み進める読み手の声が、教室に静かに響きました。
厳しい世界に生きるからこそ、家族の団欒がいかに温かく幸せなものと気づくのですね。
ぬるま湯の世界にいる自分の鈍感さ(幸せボケ)を反省しました。
『くまの子ウーフ』と同じ作者であることが、信じられないほど、まるで違う世界が、そこにはありました。
高学年から大人まで楽しめる絵本だと思います。