【あらすじ】
公園のベンチの下で出会った、ダンゴムシと一年以上放置してカチカチになったタコ焼きの親分。親分は強引にダンゴムシに自信をつけさせようとして、夢の押し売りをする。仕方ないので、ダンゴムシは野球をやるのが夢だと打ち明ける。そして二人は夢を叶えるべく、野球の特訓を開始するが…
夢を叶え、自信をつける熱い青春物語。
【感想】
意外な展開が愉快で、あっという間に読み切ってしまった。ジェットコースターのような作品。話の展開がどこに行くのかわからない。
昔のスポコン漫画の主人公と、今の軽くやる気のない少年の取り合わせ、といった感じもあり、つっこみどころ満載。コントのようでもある。全然努力の結果が実っていないのに、最終的にはハッピーエンド。その辺も、時代が変わったなあ〜と感じる。
昔のスポコン漫画は、艱難辛苦を乗り越えて、ようやく花を咲かせるようなものが多かった。努力は報われると思いたいが、現実はよくわからない力で夢が叶ってしまう場合もある。いろいろあっていいのだとわかりました。
作品中にも「楽しみ方は、それぞれ違っていいんです」とあった。個性が尊重される世界に生まれて、良かったな、ダンゴムシ。そして、自分たち。
作者のコメントもふるっている。夢はかなわなくてもいいし、忘れちゃってもいいんですよ、だって。(夢は世界征服だとか。何せ子どもの時ですから)
そのくらい軽快に生きるのも、悪くないなあ。
このお話を見ていると、いろいろな生き方があって、明るく楽しい気分になってくる。将来に希望と可能性が感じられて、素敵。