昔の熊本のお話です。
山に住んでいる「たける」という恐ろしい大男がいました。よめが欲しく、大暴れします。海に美しい女の人がいました。村人は「たける」のよめになって欲しいと頼みます。「八さくの日まで」「八さくの日まで毎日かかさず海の水を運んでくれるように」との約束で女の人はよめになりました。大暴れの大男も女の人の笛を聞いたらおとなしくなり、しばらくするうち村人は恐ろしい「たける」も、女の人の約束も忘れてしまいます・・・。
あとがきで作者のたかしよいちさんが
「不知火」の持つロマンティックで女性的な灯と、阿蘇火山の持つ豪放で男性的な炎とを、土着的な息吹きをこめて、文学の世界に展開したいというねがいから、この作品をつくりました。
と言っています。
それをイメージしてから読み返すと、すーっと物語が心の中に入ってきました。
これを読んだ長女は「こわかった」と言っていました。
方言が多く、読み聞かせする場合は、前もって何回か読んでおかないと、ものすごくつっかえます・・・。私は初めて読んだ時、文字を追うのに精一杯で物語をイメージできませんでした。