大人の感覚では、あまり「良い絵本」とは感じないかもしれません。
のっけから、おじいさんとおばあさんは「あまり幸せではありませんでした」といって始まるし、最後にはねこたちが食べっこてしまうし・・・。
でも、赤ずきんちゃんでも七匹の子やぎでも、途中、大人からしたら残酷だな〜って感じる場面はあるんですよね。
年寄り二人で、さびしいという気持ち。
ねこがいればいいのになぁ・・・という動物に対する優しい気持ち。
たくさんのねこに出会って「一匹なんて選べないよ〜」という迷い。
お腹が空いたときに、少しずつ草を分け合うねこたちの優しい気持ち。
ケンカしたら、みんないなくなっちゃうんだよ、という平和の大切さ。
人やものを、見た目だけで判断してはいけない・・・などなど。
子どもたちに伝えようと思えば、伝えられることはたくさんあるのかもしれません。
わが家の子どもたちは、この絵本が大好きです。
息子のお気に入りは、「誰がいちばんきれいなねこだい?」と聞かれて「ぼくだよ」「わたしよ」と言い合うところだそうです。
娘のお気に入りは「ぜんぶ〜!」(笑)
おじいさんがねこをたくさん連れて帰るときには「どうして?どうしてみんな連れてくの?」と聞いてきます。
そして、読んでる私のお気に入りは
「ひゃっぴきのねこ せんびきのねこ ひゃくまんびき いちおく いっちょうひきのねこ」
という言葉のリズム。
子どもがこの絵本からどんなことを感じ取るのかを確かめるのも、面白いと思います。