恥ずかしながら若い頃は読書が嫌いだった私は、ルブランという作家を知りませんでした。でも、ショートショートなら飽きる前に話が終わるだろうと、ある意味打算的で怠慢この上ない姿勢で、この本を手に取ってみました。というのも、ヨシタケさんの絵や描く世界観が結構好きで、そのヨシタケさんの絵がでてくるのならという邪心もあって....
いやぁ〜、最初の話『謎の旅行者』ですが、最初は、ルーアンという地名か出てきて、「いや〜、これってフランスの地名が分からないと意味不明なんじゃない?」と後ろ向きな感想を抱きましたが、少し話が進んだだけで、
え? 一体何が起きたの? どういうこと?
え? ここで一番肝心な身バレしちゃってどうするの?
とか、すごくスリルがあって一気に読んでしまいました。加速するかのように続きが読みたくなる話でした。それは偏に、訳者の平岡敦さんの読みやすい文章のお蔭だと言っても過言でないかもしれません。なるほどだから敢えて、ショートセレクションを作ったんだなと感じました。
本の虫なら小学校高学年から読めると思います。でも、中学生くらいからが楽しめるかな? 勿論、おとなもとっても楽しめます! 第一に本のサイズが単子本よりちょっと小さめなところが、個人的にはとっても気に入っています。お勧めです。