火曜日の朝早く、ちょっとだけ体を斜めに傾けた「ななめねこ」が街にやってきました。
街の人々は忙しい上に規則正しく過ごしていたので、すぐにはななめねこに気付きませんでした。
最初に気付いたのは、八百屋のグラウスさん。
次は、散髪屋のボブ・ロングさん。
それからも気付いた人が次々と出てきて、それらの人々に良いことが起こりました。
ななめねこが来たことによって、街や人々が変わっていきます。
体を斜めにして過ごすようになって、建物を斜めに建てるようになって、乗り物を斜めに作るようになって。
終いには、「ななめねこきねんび」までもができました。
でもななめねこにとっては、どうでもいいことでした。
ななめねこは、ただ単に、珍しい存在でいたかっただけなのです。
人は、普通ではないことに意味を持たせようとします。
でも、それをしている人や動物にとっては意味のない、ごくごく普通の行為だったりしますね。
この絵本は、そのことを言いたかったのではないかと思いました。