宮沢賢治の奥深い童話を体感してみようと読んでみました。
既読のような気もしますが、あまり記憶になかったので、新鮮な印象です。
ウサギの子ホモイは、ある日、ひばりの子を命がけで助け、
ヒバリの親子から「貝の火」という宝珠をお礼にもらうのですね。
不思議な輝きを持つ「貝の火」。
でもそれは、心の在り方をも映していたのですね。
ホモイが日常生活でおごりを持つ過程が丁寧に描かれます。
人間の弱さでしょうか。
キツネという、悪の誘いがあったにせよ、ホモイの顛末には心が痛みます。
おくはらゆめさんの絵は、賢治の文章が紡ぐ豊潤な色彩をそっと支えてくれます。
奥深いです。
小学生高学年ぐらいから、じっくり考えてほしい作品だと思います。