4歳からという紹介でしたが、小学校高学年でも楽しめ、学べると思います。
主人公のペレが、自分で飼っている子羊の毛をかりとり、一着の服を新調するまでの工程を描いたものです。
かりとった毛を梳くところからペレは、自分の労働力を提供しお願いします。次に、糸を紡いでくれるおばあちゃんのところへ…、染め粉を求めて…、…、…。
一着の洋服が完成するまでのプロセスを学べ、かつ、労働無くして得るものは無いことも優しく教えてくれていると思います。
絵がまさしく牧歌的で、温かい気持ちにさせてくれます。
大人たちの働いている様子も、ペレの動きも生き生きとしています。
時間がゆっくりと流れている中、“働くこと”をを教える一方、こどもからたのまれたものでも、丁寧な仕事を真摯な姿勢でおこなっているところが、心温まります。
今の時代とは異なった、“こどもを大切にする形”ではないでしょうか。
スウエーデン生まれの作者も、訳者も、今はいらっしゃいませんが、名著故のロングセラーであることを納得しました。
10歳の息子は、何人の手によって一着の服ができあがったか数えていました。