最後に火を噴く若者がきりりとした若者の姿を映し出していたの
がよかったです。ピンネシルが、乱暴で情け知らずの山だったけ
けれど、青い沼のピルカトーを愛する思いは、誠の愛だったと思
いました。優しいピルカトーに協力する魚たちは命がけで、澄み
きった水玉を見つけ出して、ピルカトーは、氷のように美しい槍を
一日、ひと月、一年、百年と少しずつ、少しずつ出来上がっていき
ました。こうした努力が実を結んだのでした。槍を飲み込んだピン
ネシルが、「許してくれ、ピンネカトー。許してくれ、森の木や草」
と、心から謝ったのが、よかったです。
火を噴く山のピンネシルと青い沼のピルカトーの結婚式に、よか
ったなあと思いました。