有名な「いなばのしろうさぎ」ですが、シリーズを通して読んでみるとこのお話がひとつのエピソードであることが分かりました。
独立した昔話のように感じていましたが、そうではなく後々何度も出てくるオオクニヌシノミコトがどういう神様か、うさぎを助けたことによってかよらずか兄弟たちみんなが結婚したい女性と結婚できると予言される大事なエピソードなのです。
だけど「いなばのしろうさぎ」というタイトルからうさぎが出てきたのは前半だけ?という違和感を少し感じました。
「いや、もう少し読んだらうさぎが出てくるかもしれない。」
と、子供も思ったようです。
そして後半はオオクニヌシに対する兄弟たちの策略の話にシフトしていきます。
人徳があるオオクニヌシが選ばれるのは当然なのに、兄弟たちの仕打ちはひどすぎます。
昔話の勧善懲悪とは全く違い、いい人なのに?という展開に驚きました。
こういう展開は普通ならばブーイングの嵐なのですが、「古事記」という本当に書かれた書物のもつ力でしょうか。
これはこれですんなり受け入れ、続きが気になるお話になりました。