小学校中学年くらいからでないと理解できないかと思いますが、とても良い話です。
今から100年以上前に、ニューヨーク州のハドソンから、それほど遠くない、コロンビア郡の山間で、かご作りで生計を立てて暮らしていた人々のお話です。
山の木から籠を作り、納屋に保管しておき、夜の月が明るい日、つまり満月の日にハドソンの町に売りに行く。
主人公の少年は、いつ父親が一緒について来てもいいと言ってくれるか、心待ちにしている。
一生懸命、仕事を見て覚え、手伝いをし、自分がもう十分大きくなった事を父親にみせても、なかなか許しが出ない。
父親の厳格な感じに、我が家の父の姿が、重なるのか、我が家の長男は、少年の気持ちに共感しておりました。
そして、とうとう、同行できる日が来た。
初めての町に心躍らせて、出かけた少年。
しかし、帰り道、ハドソンの人から、籠つくりをけなすヤジを受ける。
そして、籠つくり対する情熱を失ってしまう。
ある日、納屋の中に積み上げられている籠を蹴飛ばした。
だが、籠は、倒れたが、壊れなかった。
「風は、おれたちに、かごをつくることをおしえてくれたんだ」
「風はみている。だれを信用できるか。」
父の友人のこの言葉で、少年は、自分を取り戻す。
とても、内容の深い話で、小学生の息子は、神妙に聞いていました。
自然の声を聞く、それだけで、すごい事なのだと、厳粛な感じがするのだと思います。
人からの評価により自分を見失ってしまった。
多かれ少なかれ子供の成長には、こんな事があるかもしれません。
その際の判断基準として、自然の声に従う。
自分だったら、自然の声に代わるものは、なんだろうと考えさせられました。
話が無理なく展開されて説得力があります。
実在した伝統芸術の籠とそれを作っていた人々への敬愛が感じられました。