息子が赤ちゃんの頃から持っている本です。
本人が3歳の頃くらいに初めて読んで欲しがって、聞かせたと思いますが、きょとんとした印象で意味がわからないようでした。
それ以降、あまり読んでということはなく・・・。
5歳になった頃、時々持ってくるようになりました。
まだ近しい人の死は経験していない息子ですが、人はいつか年老いて死ぬことをなんとなくわかってきたようで、お葬式に参列することもあり、だんだんとこの絵本の意味を理解している感じです。
読んだ後、特に何も言ってきたことはありません。
感動しいの息子ですが、読んだ後に泣いたこともありません。
でも、この絵本を読むことで、好きな人、大切な物を慈しむ気持ちがじんわり培われてきている気がします。
時々、死んでしまった昆虫の話をしては「恋しいなあ」なんて言ってます。
どんな説明があったところで、何をしてみたところで、死は誰にとっても不安や恐怖と切り離しては考えられない大きな存在です。
その死をどんな風に感じるか、死の前にある生きている世界は何なのか、そんなことにそれぞれが思いを馳せられる絵本のような気がします。
怖さでなく、ごまかしでなく、メルヘンでもない、子どもでも大人でも誰でもが温かい気持ちで死を考えることができる気がしました。
この本を読み聞かせて、黙ってお互い思いをはせる時間がとても大切な時間のように思ってます。