あまりに意味のなさそうな題名ですが、普段の読み聞かせでも題名を反対から読んでみたりするので、息子はいつものジョークだと一度は聞き流しました。背表紙も見て、これが本当の題名だと理解すると、「本当に?」と目を丸くして嬉しそうな顔をしました。
お話しの冒頭は「ぐりとぐら」のようなメルヘンを思わせる展開で、主人公の王子が“みしのたくかにと”を魔法の言葉だと思うあたりからファンタジーへ変貌するのかなと予想しましたが、実際は、ふとっちょおばさんが、魔法ではなく機転を利かせて、可哀想な王子を子供(人間)らしく暮らせるようにしてあげるというハッピーストーリー。読み終わったあと清々しさを感じました。
息子には少し長いなので、二日に分けて読みました。逆さ言葉も何度か出てくるとついには暗記してしまって、何度も口に出していました。
僕は、お話しの中のお国柄や時代背景は違えど、現代でも有りそうな物語に感じました。息子には(庶民の子供のように)自由に遊ばせてやりたいと願っていますから、カエルやバッタ採りに明け暮れた今日一日が、とても有意義で幸せに感じられた、そんな作品です。