たつおくんの家で飼われている犬のタロ。タロはたつおくんのおかあさんが指輪をなくしたことを知ります。
登場するのが、犬とねずみとねこ。なくしたものを動物たちが協力して探すのは、昔話でよくみかけるので、動物たちのおかあさんへの恩返しという意味もあると思うので、昔話的な要素が入った現代版ファンタジーといった感じです。
作者自身が表紙カバーで説明していますが、挿絵が少し変わっています。1ページごとに2つまたは3つのコマに分けて挿絵が入っており、佐藤さとるは「コマ割り絵童話」と名付けています。
コマ割りが多いので、動物たちの表情や動きが細かく描かれています。コマ割りが多いと話が絵でよくわかる反面、子どもの集中力が散漫になる場合もあるので、長い話にも集中できるようになった5歳ぐらいから読むのに適していると思いました。
ミドリが指輪を探してカラスと対戦する姿はスピード感があり、しんしょうけんの絵とともに楽しめました。