2000年刊行。サトウキビの研究者が、サトウキビの利用法、有用性、栽培方法、品種、砂糖の精製、砂糖を使ったおやつの作り方などを丁寧に教えてくれる学習絵本。
大人も読み応えがある。
身近な食材なのに、どうやって作っているかよく知らない砂糖。品種などは写真で紹介されて、細いのや太いのなどいろいろあって驚いた。日本では沖縄などが有名だが、実は全国各地で栽培されていた時期もあったとか。田んぼや畑の隅に植えられ、おやつとして食べていたという。
いろんな品種があって、サトウキビの野生種はその辺にひっそりと生えていたりするという。ススキとよく似ているらしく、ススキとの見分け方も教えてくれて、興味深い。自分はススキだと思って見ていた植物が、実はサトウキビ(の野生種)だったら面白い。
栽培するのも砂糖をつくるのも、大変に手間がかかる。
昔は貴重なものだったというのは、実際に結婚式の引き出物として砂糖が使われていたのを見たことがあるから想像が付く。
大正生まれの祖父母の時代は、まだ貴重品だったので、祖母は特に甘いものに目がなく、自分であんこを煮て作るときは、うんと甘くしていたのを覚えている。
甘さ控えめなんていう発想は皆無だった。もちろん、とりすぎは体に良くないということも、敢えて無視していた感じがする…
今では精製された白砂糖が安くどこでも手に入るようになった。
かえって健康に悪い、体を冷やすなどといって遠ざける人も出てきている。(砂糖断ちをすすめる健康法もある)
いろんな意味で人間に影響力の大きい植物なのだと、改めて思った。