冬ごもり中の熊の親子。
穴の中は暗いけれど、外からは色々な音が聞こえてきます。
その音に生まれたばかりの小熊は興味しんしん、お母さん熊に質問していく、そのやり取りを描いたお話です。
これといって大きな出来事は起こりません。
それでも、読んでいるだけでなぜか心穏やかな気持ちになるのです。
現在我が家の3歳の息子も、目に映る物全てに興味を持って、毎日私を質問責めにしています。
忙しい時など、少し煩わしく感じてしまうこともありますが、この本に出てくる母熊のように、優しく分かりやすく説明してあげたい…(でもなかなか出来ない)。
そして、自然の中で生きていく動物たちにとって、春は本当に待ち遠しい季節だということもしっかりと伝わってきます。
日本は四季の変化がはっきりした国だと言われていますが、最近は環境の悪化からか冷夏や暖冬なども多く、流通の発達したおかげで野菜や魚もほとんどの種類は年中食べられるので、子供たちにそれぞれの季節の良さを伝えにくくなっていると私は思っています。
冬の厳しさの後に訪れる春の素晴らしさを、お話を読みながら自然と感じとってくれたら…と願っています。