女優の室井滋さんが文を書き、絵本作家の長谷川義史さんが絵を描いた絵本『しげちゃん』は、この絵本で三作目となります。
しげちゃんは小学三年生の女の子。今回はしげちゃんの、淡くて切ない初恋が描かれています。
初恋はいつのことだったのか、みなさんこっそり覚えているものです。
小学生の頃によくケンカをした女の子がいました。担任の先生が「ケンカをするのは好きだからだ」なんて、叱っていましたが、そんなことも昭和の小学校らしい記憶のような気がします。
しげちゃんの場合、大阪から転校してきたちょっとおかしい男の子サエちゃん。(佐枝一郎というのが本名だから、サエちゃん)
サエちゃんはちっとも勉強ができない。でも、いつの間にクラスの人気者になっている。
しげちゃんは気になっているのに、なんだかサエちゃんからはずれそう。
そんな時、サエちゃんが学校に来なくなった。
先生からサエちゃんの家に給食のパンをもっていくように言われたしげちゃんはドキドキ。
そして、しげちゃんはどんどんサエちゃんのことを知っていく。
けれど、サエちゃんはしばらくしてまた大阪に戻っていってしまう。
しげちゃんに自由勉強ノートに書いた最後の手紙を残して。
この絵本を読んで、あの頃のことを思い出しているのはお母さんやお父さんたちかも。
このシリーズ、ぜひとも今後も続けてもらいたい。
なんとしても「しげちゃん上京物語」(勝手にタイトルつけちゃった)は読みたい。