「ぼくはくつ。 どこにでもいる ふつうのスニーカー。」お店で売れ残っていたスニーカー君は、ようやく買ってもらったけれど、下駄箱の隅で目立つことなく、誰にもまだ履いてもらえずにいた。「なんのとりえもないし、ぼくなんかダメなんだ…」自分に自信を持てない彼は、先輩たちの活躍を羨むばかり。そんな彼に長靴さんが優しく声をかける「きみは どうやったら はいてもらえるか かんがえたことある?」。そうして先輩たちがそれぞれ「快適に履いてもらうための努力」をしていたことを知っていく。彼は、自分はただ待っていただけで、何も考えていなかったことに気付く。そんな時、女の子が下駄箱の前に来た。どの靴を履こうか迷っている。「ぼくにもチャンスがあるかもしれない!!」スニーカー君は考えた。そして、体にたくさん付いた埃を払って待った。そしてついに…やったー!
ストーリーはシンプルなものだけれど、一歩を踏み出せない心情が繊細に描かれていて、素直に「いいな」と思った本でした。バドミントンダブルスの「オグシオ」で一世風靡した潮田さんが初めて出した絵本。初挑戦という緊張感も物語に通じているのでしょうね。