3歳3ヶ月の息子に図書館で借りました。
息子も私も大好きな荒井良二さんの絵。
これも難解な童話ですね。
オツベルと白い象は何のシンボルなのか。
なぜ、象なんだろう。そして象なのに「サンタマリア」なんてキリスト教なの?
インドでなくてアフリカ象?
オツベルも西洋風(ドイツ風?)の名前だけれど、小麦じゃなくて稲をあつかっているし。
イメージできる国や時代がごちゃごちゃになります。
宮沢賢治にとって、そんなことはどうでもいいのとなのかもしれません。
オツベルのことも、白い象のことも、
何を象徴しているとか、そんなことではなく、
今の私には、難しいことは考えずに字面そのまま受け取って
素直に読めばいいのだと思えてきました。
そして、荒井さんの絵が本当にすてき。
私の読んだことのある「オツベルと象」とはまるで別物のようです。
(ちなみに、私は幼いころ読んだ父の蔵書では「オッペルと象」というタイトルでした)
象たちの怒りの赤い表現は迫力がありますし、
なんというか、リアルな表現ではなく、ちょっとおとぎ話風で、
かつこの無国籍な感じの表現も、荒井さんならではです。
3歳の息子は、大好きな乗り物本以外は、
かなりの確立で絵の好き嫌いで絵本の好き嫌いが決まります。
まだ、文章では全てのストーリーを全ては理解できない分、
絵をよく見ているからではないかと思われます。
そして、ちょっと変わった言葉の使い回し(「のんのんのんのん」というオノマトペなど)、登場人物の仕草などで喜びます。
この本はそんなところで気に入ったよう。
荒井さんの絵と宮沢賢治の不思議な表現などが、何となく、
彼の身体に残っていけばいいと思います。
最後の奥付に牛の絵が描いてある、なんでだろう??と思ったのですが、
これは牛飼いが物語ったのですよね。