たかどのほうこブームが高まっているわが家。たかどの作品なので借りました。ちばたかこは、たかどのほうこの妹さんなのだそうです。
幻想的な美しい色使いの絵が目を惹きます。
「つくつくせんせい」や「へんてこもり」シリーズで、うちではおもしろ系の作家としてインプットされていますが、この絵本はそれらの作品群とは異なります。
絵を見て私は「ルピナスさん」を連想しました。
遠い町から転校して来た女の子。みんなに聞かれて遠い町の話をして、悲しくなり泣き出してしまいます。それを優しく見守る子どもたち。見たこともない街の様子なのに、女の子の話を通して、子どもたちはその街の様子を感じ取っていたのですね。女の子の気持ちがみんなに通じます。
その夜、みんなの気持ちが一つになり気球がやってきます。以心伝心というのか、子ども同士の気の力とでもいうのか、言葉にするのが難しいのですが、女の子はみんなに自分のことを知ってもらいたいと思っていますし、みんなは女の子のことを理解したいと願っています。
お互いの気持ちの交流の象徴として出てきた気球。幻想的な絵の中に子どもたちの心象風景が映し出されているような絵本だと思いました。
私はこれを読んでたかどの作品の幅の広さに驚きました。