普段、当たり前のように使う「いただきます」という言葉も、日本独特のものと聞いたことがあります。
海外では食事前の挨拶の言葉はあっても、生き物の命を「いただきます」と感謝することはほとんど無いようです。
絵本ではお父さんが魚料理をしながら、この魚はどこからやってきたかという話を子どもにしてくれます。
お魚にも海の中で家族がいて、遊んだり泳ぐ練習をしたりしていたかもしれない。
魚を単なる食材としてみるのではなく、人間と同じ大切な命なんだということを、子どもに寄り添いながら、押しつけがましくならないよう優しく教えているところがいいなと思いました。
いただいた命は自分の身体の一部となって一緒に生きている。
だからこそ、その命の分まで精一杯生きて大きくなっていけたら。
そんな思いが優しい挿絵と一緒に伝わってくる絵本です。